お知らせ
令和6年度の工事事故等発生状況
作成日:2025年6月17日
公益財団法人横浜市建築保全公社では、日頃より工事事故の発生防止を目指し、各種研修会・安全パトロール等を実施しております。
令和6年度の工事ではトラブル事案が43件発生しました。そのうち、安全管理措置が不適切であった17件(「注意喚起」16件、「契約不適格者認定」1件)を「事故」として措置を行いました。
〈※保全公社ではトラブル事案について、事故審査委員会の審議を経て安全管理措置の不適切性を精査し、注意の喚起・警告・契約不適格者認定の措置を決定しています。〉
事故を未然に防止するには
昨年度は人身災害が6件発生しました。一昨年度は8件発生しているため件数は若干減ってはいますが、一歩間違えれば人身災害となりえたヒヤリハット事案も数件報告が上がっており、改善方向に向かっているとは言い難い結果となっています。人身災害は被災者のみならず、家族や関係者につらい思いや悲しい思いをさせることになってしまいます。これまで以上に工事に携わる者一人一人が自分に加え、他人の安全を守る強い意志を持って業務に臨んでください。
また昨年度も一昨年度と同様に、防水工事中の雨漏り、不可視部分の配管配線の損傷による誤発報の事故が多く発生しています。これらは、施工前の調査段階から様々な危険を想定したうえで施工計画を立て、施設管理者との事前打合せにて対応方法を取り決めておくことで、未然に防ぐことが可能となります。
また、熱中症災害も公社工事において令和元年度より6年連続で発生しています。事業者の皆様はすでにご承知と思いますが、6月1日から改正労働安全衛生規則が施行され、職場の熱中症の対応が罰則付きで義務付けとなりました。熱中症による労働災害の深刻化が背景にあり、症状が出た労働者を早期に発見し適切な対処を促すことが目的となります。「報告体制の整備」「実施手順の作成」「関係労働者への周知」を確実に実施するようお願い致します。
事故によっては施設機能を一時的に停止させてしまい、施設管理者や施設利用者に多大なご迷惑をお掛けすることになります。
事故を起こさない対策はもちろんですが、万が一発生してしまうかもしれない事故を想定して即時復旧対応が出来る体制を整えておくようにしてください。
保全公社では、事故防止に向け事故情報の発信、研修会の開催などを行ってまいります。
施工者の皆様におかれましても、安全対策を含めた施工計画を現場の状況に合わせて作成し、作業に携わるすべての関係者に安全作業の徹底をお願いいたします。
◆ 令和6年度の工事事故等 17件 (「注意の喚起」16件、「契約不適格者認定」1件)
No. |
発生日 |
発生場所 |
事 故 概 要 |
1 | 6月10日 | 小学校 | 校舎屋上の防水を施工中、既存防水層を撤去した後に仮防水を施さなかったため、夜間の降雨によりに施工箇所から浸水し、下階の教室等に雨漏りが発生し備品類を汚損した。 |
2 | 6月15日 | 小学校 | 資材搬入車両が退場するため転回しようと後退した際、擁壁法面に近づきすぎて左後輪でプランターの鉢を損傷した。 |
3 | 7月31日 | 中学校 | 体育館の天井照明器具を交換中、手元を誤り高さ6mのローリングタワーからワイヤーかしめ工具が落下した。 |
4 | 8月13日 | 地区センター | 自動火災報知器複合盤の警報表示試験中に、漏電遮断器と誤ってSOG制御装置を操作してしまい、トリップして施設全館が停電した。 |
5 | 9月4日 | 小学校 | 既存ウレタン防水撤去部の防水処理テープ措置が適切でなかったため、校舎最上階教室の天井より雨漏りが発生した。教室前方に漏水が認められ、天井化粧石膏ボード5枚を汚損した。 |
6 | 9月5日 | 小学校 | 大量の手摺補修鋼材の荷下ろしを、荷揚げ降ろし用のウィンチを使用せず昇降足場を利用したため、狭い足場内で切り返しを行った際に誤って校舎の窓ガラス1枚を破損した。 |
7 | 9月13日 | 中学校 | 2階ピロティの火災報知器が誤発報した。火災報知器内には水が溜まっており、養生は行っていなかった。2日前の外壁高圧洗浄の水が侵入した可能性が高い。 |
8 | 10月4日 | 高等学校 | 作業終了後、車両で道路に出るため、一旦バックで左旋回を行った際、駐車スペースに停車していた学校関係者の車両の前部右側バンパーに接触した。 |
9 | 10月30日 | 市場 | 3階トイレ内の床軽量コンクリート撤去作業において、カッター入れ時に発生した粉塵が廊下天井を介してPS内へ流出し、PSの扉を開放した際に、PS前の天井に設置されている防煙垂れ壁用火災報知器が誤発報した。 |
10 | 11月3日 | 地域療育センター | 複合受信機交換後の移報信号作動試験の際、緊急通報用電話ケーブルの離線作業に不備があり、電話回線が繋がったままの状態に気づかず作動試験を行ってしまった。結果、所轄消防署に緊急通報が入り消防車が出動する事態となった。 |
11 | 12月4日 | 小学校 | 現場調査終了後、校舎2階の通用窓から校舎内へ戻る際、窓枠に着座して廊下側へ飛び降りたところ足を滑らせ転倒、またその反動で手を着いた際に、右手首付近を強打し、右橈骨遠位端骨折(全治3か月)の重傷となった。 〈契約不適格者認定〉 |
12 | 12月4日 | 中学校 | 2階開放廊下壁面の吹き付け塗装作業中、養生シートが適切に施されていなかったため塗料が飛散し、1階廊下を通行していた3名の生徒の制服に塗料が付着した。 |
13 | 12月3日 | 斎場 | 1階のEPS内にて電灯盤予備回路二次側に空調機用電源を接続作業中、漏電遮断器のテストボタンに誤って接触し回路がトリップ、斎場の案内表⽰板、案内放送が⼀時的に停⽌した。 |
14 | 2月3日 | 市場 | ⾼圧配電盤室において、特⾼変電所より今回⼯事で布設した⾼圧ケーブル(200mm2)の端末処理作業を⾏うため、ケーブルの被覆を剝ぎ取る作業中にカッターナイフの刃が折れ⼿⾸を切創した。 |
15 | 2月6日 | 駅駐輪場 | 2階の自転車駐車場の塗装工事において、鉄骨の塗装を施工中に、ビニール養生の固定が適切で無かったため、強風時に塗料が煽られ、1階に駐車していたバイクに塗料が付着した。 |
16 | 2月17日 | 中学校 | 敷地内の止水栓バルブボックスにバルブ回し工具(開栓器)を設置した状態でその場から離れてしまったため、学校に送迎に来ていた福祉車両がバルブ回し工具(開栓器)の存在に気づかず、左側側面のバンパーに接触した。 |
17 | 2月19日 | 中学校 | 水圧試験の行うため給水配管の系統メインバルブを閉とし試験を実施したが、施工業者が断水作業が発生する旨の周知徹底を怠ったため、先生が同系統の洗面器の水栓を開けしまい、水が出ない状態であったことから、水栓を閉めずにその場を離れた。その後、洗面器から水が出ない旨の報告を受けた施工業者がメインバルブを開に戻してしまったため、水栓から水が夜通し流れ出て、排水しきれない水が洗面器から溢れ、更衣室の床が水浸しとなった。 |
◆ その他の工事事故・トラブル事案 26件
No. |
発生日 |
発生場所 |
事 故 概 要 |
1 | 4月30日 | スポーツセンター | 屋上防水に伴う高圧水洗浄作業中に、雨水の縦樋が根詰りして満水状態となり、同縦樋の差し込み部分から水が吹出して、下階の天井に漏水が発生した。 |
2 | 7月17日 | 小学校 | 2階トイレ解体工事中に、切断した給水管内の水が床に溜まり、スラブダメ穴から階下に流出して1階給食配膳ホールの天井から漏水した。 |
3 | 7月22日 | 中学校 | 事務所仮設のため、16tonの揚重機を体育館の横に設置し仮設ハウスを揚重した際、アウトリガー鉄板敷き部分のアスファルト舗装が陥没し10mm程度沈み込んだ。 |
4 | 7月26日 | 小学校 | サッシ材料を搬入するため、4ton車両トラックが南門よりバックで学校内に入場する際、トラック右側後部が南門の門扉の角に接触し、ステンレス引戸門扉を破損した。 |
5 | 7月31日 | 中学校 | 仮設足場材を手運び運搬中、作業員がバランスを崩し足場材を1階廊下窓ガラスに接触して破損した。 |
6 | 8月9日 | 小学校 | 体育館ステージ上の照明器具の交換後、幕の上に埃が溜まっていたため、掃除をしようとはたきを使用したところ幕が裂けた。 |
7 | 8月9日 | 中学校 | 防球ネット取付のためのあと施工アンカーを体育館の壁に打設中に、壁内の火災報知器の渡り配線に接触(切断)して誤発報した。 |
8 | 8月16日 | 小学校 | 台風時の豪雨により、各教室及び廊下の計6箇所で漏水が発生した。 |
9 | 8月17日 | 中学校 | 台風の影響により、体育館の金属屋根(横葺き)から雨漏れした。 |
10 | 8月17日 | 小学校 | 工事休業日に体育館で火災報知器が誤発報した。差動式分布型感知器のため、空気管の経年劣化が原因と見られる。 |
11 | 8月19日 | 小学校 | 改修中の給食室と配膳ホールの間のEXP.Jの下部より雨漏りが生じた。外壁の目地当を伝ってシーリング未施工の新設EXP.Jの目地部から浸水した可能性が高い。 |
12 | 8月22日 | 小学校 | 現場事務所で朝礼後、作業準備中に作業員が3階足場上で突然倒れ、痙攣を起こした。その後意識は回復し、救急車で病院に搬送された。 |
13 | 8月30日 | 小学校 | 給食室屋上において、防水改修工事業者による巡視点検の際、給食室ホール天井EXP.Jの取り合い付近からの漏水した。 |
14 | 9月9日 | 総合庁舎 | 5階で工事中に天井ボードを開口する際、誤って配線を切断し、中央監視室の火災報知器が発報した。 |
15 | 9月16日 | 中学校 | 体育館内部の残材搬出のためハンドリフトを使用し、作業終了後に同ハンドリフトを2tonトラックの荷台に載せようと車輪収納スペースに左手親指を掛けて持ち上げた際、車輪との間に挟まれ骨折した。 |
16 | 10月8日 | 高等学校 | 体育館北面の外部足場組立中、2階バルコニーで足場板を手で荷揚げしていた際、作業員同士が材料の数量の認識違いにより受け側作業員が手を滑らせ、足場板の爪部分がアルミドアのガラスに接触し、2枚を破損した。 |
17 | 10月17日 | 小学校 | 校舎棟(昇降口北面)外壁下地調整のためグラインダーで研磨作業中、小石(ジャンカ)が跳ねてガラス1枚を破損した。 |
18 | 10月22日 | 公園詰所 | 現場調査の際、公園道路の路肩に駐車のため後退したところ、街路灯に接触した。 |
19 | 12月2日 | 総合庁舎 | 仮設足場解体作業中、手摺3段分のロックピンを先に外した際に、作業員の体が接触し、1本の手摺が4階付近から3階に落下した。落下した手摺が3階生活指導課事務室前のガラスに当たり破損した。 |
20 | 12月6日 | 中学校 | 学校側から業務用マスターキーを借用し、引き戸の開閉を行おうとしたところ、鍵を挿したまま引き戸の開閉を行ったため、戸袋側にあったロッカーと鍵が接触してしまい、マスターキーが曲がってしまった。 |
21 | 1月9日 | 小学校 | 作業員が不要なスピーカーを撤去後に弱電線を抜こうとした際、脚立の位置を変えずに無理な体制のまま作業を継続したため、バランスを崩し脚立から転倒し、肋骨2本を骨折した。 |
22 | 2月3日 | 小学校 | 天井内の不要配線の撤去及び整理作業時に、火災報知器用の配線も移動を行ったが、その際、既設結線部からケーブルが抜けるのを作業員が目視した。その後職員室内の受信機が発報した。 |
23 | 2月5日 | 市場食堂 | 食堂の軽量手動シャッター改修工事中に、作業員がアルミ製可搬式足場から降りる際、ステップで足を滑らせバランスを崩し、ステージの角に左脇腹を強打し、肋骨を骨折した。 |
24 | 2月9日 | 競技場 | 4階東ゲートにおいて、柱部のPC緊張端部の防水作業時に高所作業車を移動中、作業車かごをゲート門形庇にぶつけて破損した。 |
25 | 2月15日 | 中学校 | 非常放送設備のアンプ用架台を取付作業中において、あと施工アンカー打設時に電線及び電線管を損傷し漏電が発生、ブレーカーがトリップし、自火報受信機から漏電警報を発報した。 |
26 | 3月26日 | 高等特別支援学校 | 下請け業者の工事車両が、学校門扉支柱に接触し、支柱が曲がった。誘導員は配置していたが、舗装工事を行っている脇を通行したため、門扉に近づきすぎて支柱に接触した。 |